聞き上手はコミュニケーション上手

2020/09/27

突然ですが、営業の世界で売れる営業担当者の条件は何でしょうか?どんな業界でもトップセールスに共通する条件は「聞き上手であること」です。では、営業担当者とお客さまの話す時間の比率はどれぐらいがベストだと思いますか?

 営業担当者:お客さま=2:8がベストと言われます。逆に営業成績のあがらない人は、自社の商品やサービスのことを一方的に話す「しゃべるカタログ」になってしまっていることが多いです。お客さまの話を十分に聞けたら、お客さまは満足してくれますし、適切な対応をすることができるので、営業成績があがるのです。たとえ話下手であっても、聞くことはできます。話すことが得意な人ではなく、聞くことができる人がトップセールスになるのです。

 これは営業の世界だけの話ではなく、社内や家庭内などあらゆる場面でも同じです。このように、相手の話を聞くことが、コミュニケーションの基本です。聞き上手はコミュニケーション上手なのです。

 恋愛シーンではなおさらです。相手に共感することが大事なことなのです。相手の話をきちんと聞いてあげられたら、満足して心が癒やされます。相手に興味を持ち、ほほえみながら目を見て、相づちをうちながら話を聞くことが大事です。あなたと相手の話す時間の比率は、あなた:相手=1:9ぐらいでちょうど良いでしょう。まずは、自分は極力話さないで、相手の話を聞くことをいつも意識することから始めましょう。

 また、大切なことは誰もが自分自身の価値観や考え方・感じ方の尺度で判断して行動しているということです。しかし、他人は自分とは価値観や考え方・感じ方が違うのです。これは、元来の性格に加え、親の考え方・育った地域・過去の経験・まわりの環境・仕事内容など複合的な要素によって形成されたものだからです。

 「人は自分のことをわかってくれない」「話がかみ合わない」などと思い悩むことがあるかもしれません。しかし、自分では良いと思うことが他人にとっては良いこととは限らないのですから仕方ないことなのです。大切なことは、自分から相手のことを理解しようとすることです。

 そのためには相手とのコミュニケーションを密にし、相手の話をたくさん聞くことです。相手のことを知り、理解できたら、どのように対応すればよいか見えてきます。すべての人が違うという前提に立って、人と接することができたらコミュニケーションの結果が劇的に変わります。

筆者:若尾裕之(わかおひろゆき)
(株)未来総合研究所代表取締役、未来デザイン&マーケティングコンサルタント、元立教大学経営学部兼任講師。立教大学経済学部卒業後、日産自動車などの企業に勤務。日産宣伝部時代には現大リーガーのイチローを初めてテレビCMに起用するなど多くのヒットCMを担当。2007年に死の淵に立った経験からエンディングノートの第一人者として人生の最期をイメージした幸せな生き方を提案。
全国の自治体・企業・大学・高校・中学などでの講演多数。現在は未来デザインコンサルタントとして、企業や個人の未来創造を応援。恋愛・結婚について造詣が深くライフデザインにおける結婚の重要性を提案している。
Hiroyuki Wakao